ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番収集記R

様々なピアニストによるラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」の録音を収集。聴き込んだ上で、独自の基準により採点、ランキングし、それを公開するサイトです

10位:ワイセンベルク(プレートル)

プレートル&シカゴ交響楽団。ステレオ録音ですが、ややモノラルっぽいやや軽い音質。かえって、ピアノの音色がくっきり、生々しく現れてます。

で、とにかくこの録音。ワイセンベルクのテクニックが壮絶。 最初から最後まで、とにかくバリバリ猛烈に弾きまくる弾きまくる。これほどまでに、爽快に機械的に指が回る演奏は、初めて聴きました。異常とも神業ともいえるテクニックは、全録音中でナンバーワンクラス。

かつ、バーンスタインとの新盤よりも20年近く若い時分の録音であり、テンポ設定も、かなり早めで、生き生き。音楽が怒涛のごとく押し寄せてきます。まさに、これが3盤を聴く醍醐味。

それでいて、単に攻めまくる、押しまくるだけじゃなく、そこは円熟の新盤に通じる、ためるとこはためる、抜くところは抜く、全体の構成の面白さは、さすがワイセンベルク。

総合的な完成度でいうと、確かにバーンスタインとの新盤のほうが、うまくまとまっているとはいえますが、それでも若さゆえの勢い&圧倒的なテクニックは、こちらが上位。

とにかく、他の追随を許さない完ぺきなテクニックをぜひ味わってみてください。また、新盤と併せて聴いて、自分はどっちが好みか、考えるのもいいかもしれません。