ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番収集記R

様々なピアニストによるラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」の録音を収集。聴き込んだ上で、独自の基準により採点、ランキングし、それを公開するサイトです

11位:ギーゼキング

ギーゼキングのピアノ、メンゲルベルク指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。1940年の録音で、もちろんモノラル。

とにかく、これまで聞いた全ての録音の中で、文句なし、ナンバーワンの激しさ。最初から最後まで、常に全開、もう飛ばしきり。ものすごいペースで、ぐんぐん弾きまくる、圧倒的な熱演。このアクロバティック感は、何度聴いても聴き飽きないほど。とにかく、「爆演」の最高峰。これを聞かずして、爆演は語れません。

当然、1楽章カデンツァもossiaで、激しく鳴らしますが、圧巻は3楽章も終盤のところ。「興がのってくると楽譜通りに弾かない」と言われているように、実際、弾きません。独自のアドリブを加えで、様々にアレンジ。予想と異なるピアノの音が聞こえてくるにつき、一瞬、驚きます。

とにかく、迫りくる圧倒的な音感、スケール感、熱量、全てがカッコいいです。ただ、難点をいえばただひとつ、音の悪さ。40年の録音ですから仕方ないですが、それでも演奏の激しさ、すばらしさは、十分に伝わってきます。