ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番収集記R

様々なピアニストによるラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」の録音を収集。聴き込んだ上で、独自の基準により採点、ランキングし、それを公開するサイトです

4位:ケルダー

f:id:GYOPI:20181101023755j:plain:rightオイゲン・ケルダーのソロ、ヤルヴィ指揮。エストニア放送(ESTONIAN RADIO)の製作で、CD番号は「ERCD-012」。音は悪いかとおもいきや、個人的に大好きな「金属」感あるカーン・キーンといった感じの「クッキリ」な音質で十分に満足。

演奏はとにかくもう異色中の異色。なんといっても聴きどころは、すべてが「崩し過ぎ」な点。一歩間違えば、グダグダのボロボロと紙一重。とにかく、ドロドロした、恐ろしいほどの混沌としたカッコさ。他の、どのディスクよりも個性的、かつ魅力いっぱいの演奏です。

1楽章。これだけ自由なカデンツッアは初めて聴きました。終始ゆっったり雄大に、かつ力いっぱいの打鍵。もちろんossia。で、注目は続く2楽章。この「独特の崩し」が最高にマッチ。これがあまりに「美しすぎ」、かつ「ロマンティック過ぎ」。何度聞いても感動します。ただし、一転3楽章に入るとなぜか、それまでの狂気が消え失せ、若干おとなしく、型どおりになってしまうのがもったいないです。(唯一の原点要因)

とはいえ、こんな個性的な演奏で、総じてそれが大成功という稀有な作品。とくに比類なき美しさの2楽章は、もはや他の盤とは次元が違います。もうこれ聴いてしまうと、他の人の2楽章はあまりに退屈で聴けなくなるほどです。絶対おススメの名盤。