ツィモン・バルトの旧録。エッシェンバッハ指揮、ロンドン交響楽団。冒頭、超スローペースで引き始めたと思うと、いきなりテンポを自在に揺らす揺らし始めます。もう、一癖も二癖もある、超個性的な演奏に衝撃。
ですが、こんな衝撃は小さなものでした。この演奏最大の衝撃は大カデンツァ。「ossia」といえば、先日のベルマンが王道だと思いますが、このバルトは、とにかく毒がある。
グワングワン自在にスピードを操り、あげくに、最も盛り上がる箇所、頂点から、超のつく加速を行うという離れ業。あまりの激しさ・勢い・カッコ良さに唖然。これまでossiaの1番だと思ってたデニス・マツーエフ盤をも上回る加速。とにかく、ものすご衝撃を受けました。間違いなく、ossiaのナンバーワン。
テクニックと勢いも、新盤より13歳若いこの旧盤のほうが、明らかに上。ということで、もう、この第1楽章カデンツァを聴くだけでも、絶対買う価値はあります。