ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番収集記R

様々なピアニストによるラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」の録音を収集。聴き込んだ上で、独自の基準により採点、ランキングし、それを公開するサイトです

6位:ホロヴィッツ(’78ライブ)

数あるホロヴィッツの録音の中で、最も完成度が高いのは、意外にもこの最晩年のもの。オーマンディー指揮、ニューヨークフィル。

テンポは普通より、やや遅め。それでいて、遅いと感じないのは、一貫して緊張感が漂い、最初から最後まで、雰囲気がひき締まっているから。ライブ録音で、とにかく張り詰めた雰囲気が印象的です。

実際、雰囲気だけでなく、演奏・音質・オケと全てが完璧。ホロビッツは全く年齢を感じさせず、相変わらず抜群のテクニックを披露。豪快に力強く低音をきっちり決めて、ハンパない爽快。聴いててホントに興奮できる最高に楽しめる演奏です。

魅力は、なんといってもその「切れ味」。ほかの盤が退屈で聴けなくなるほどの破壊力。その力強さ&スピード感は独壇場。とくに第3楽章の「0分50秒」のところ。この部分の低音が、あまりにかっこよくて何度も聞きなおしたくなります。

その他、とにかく各所に個性的なかっこよさが満載。これほどドキドキワクワクする演奏はありません。何度聞いても飽きない、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」エンターテイメントとしての最高峰です。