スティーヴン・ハフのピアノ。リットン&ダラス交響楽団。ライブ録音ということもあり、もう完全に個性的な熱演。
具体的には、ヴァーシャーリやワイセンベルクといった、ギラギラして艶っぽい雄大な演奏、聴きこむほどにジワジワくる演奏とはちょっと違い、かといって、ホロヴィッツやボレットといった超爆演でもない。1番近いのがレーゼル盤やヴォロドス盤といったところですが、それらを、一回り力強く・より激しくした感じ。
ということで、「適度に」という生やさしいものではなく、十分に激しい熱気を帯び、かといって、爆演(一歩間違うと目茶苦茶)まではいかない。ある意味、理想的な力強さと迫力を備え、絶妙なところで踏みとどまる名演。
なにしろ、ライブにもかかわらず完成度が高く、ミスもほとんんど見受けられません。ようするに、おそらく、3番に求められる一般的基準からすると、まさに全てを満たす絶妙な出来といえるはずです。