リス指揮ウラルフィル。音質は、ちょっとピアノがクッキリせず、もやもやした感じで若干不満も、オケは重厚。全体として及第点。演奏は、第一印象が「少し雑」。なんというか、ホロヴィッツのような熱演系でもなく、それでいてプレトニョフやルガンスキーのように、しれっと落ち着き払ったものでもなく。
やるんだったら思いっきり雑に激しく、めちゃくちゃやって欲しいし、やらないんだった丁寧に行ってほしいしい。なのに、この録音は、とにかくどっちつかずで、中途半端。おとなしいのに雑という、奇妙な演奏となっています。
唯一の注目点は1楽章カデンツァのOSSIA。最初、優しく入り、徐々に熱気がこもり、最後の部分で爆発させ、一気に盛り上げる。これだけ、大カデンツァの終盤のみを力強くやるのも珍しいです。前半と後半のギャップが異常。大カデンツァが好きな人にとっては、この部分だけでも、聴いてみる価値アリです。