ドイツの若手ヨーゼフ・モーグの録音。録音時24歳。全体的にバランスが良く、完成度が高い演奏。それでいて、後述するように3楽章では、完璧な技巧を豪快に披露するところもあります。
とはいえ、全楽章通じてめちゃくちゃに弾きまくるような豪快な演奏が好きな私としては、やや消化不良というか、物足りないというのが正直な感想です。
1楽章、カデンツァは小さいほう。カデンツァ直前、「来るぞ来るぞ」と思って期待して、それがossiaでないとなると、どうしてもチマチマ感というか、がっかり
。2楽章も、1楽章同様に、遅めのペース。ところが、3楽章では、冒頭からすごいペース。それこそ、過去聴いてきた中でもトップクラスのスピード感。これだけ速く、かつ、1音1音クッキリ弾ききるのはさすが。この3楽章が、というか3楽章だけが聴き所といえます。