ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番収集記R

様々なピアニストによるラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」の録音を収集。聴き込んだ上で、独自の基準により採点、ランキングし、それを公開するサイトです

21位以下:オールソン

2011年の11月に発売された輸入盤です。ピアノはオールソン、スパーノ指揮でオケはアトランタ交響楽団。録音は2009年ということになります。

で、その内容。録音状態はまずまず。若干もやもやこもった感じで、ピアノの音もクッキリ出ませんが、許容範囲。注目のカデンツァは、もちろん大。スタジオ録音になります。

第1楽章冒頭。やや遅めのペースでオケが進む中、55秒のところからピアノが入ってきます。ここまで、ちょっとゆるい感じだったのが、オールソンのピアノの導入で空気一変。ペースを上げつつ、オケを引っ張る感じ。切れ味の鋭いピアノが爽快です。

で、なんといってもこの録音のポイントは、1楽章のカデンツァ。大カデンツァを豪快に鳴らします。もう、最近の録音で、これだけ激しくガンガン弾くのは皆無。ひさしぶりに派手で豪快でカッコいいカデンツァを聞いた感じ。やっぱりこの力いっぱい叩く激しさこそがなくてはと、改めて実感しました。全ての録音の中でも、確実に上位に入る「熱さ」だと思います。

その他、3楽章も冒頭からなかなかの高速。やや単調ながら、最後までそのスピード&熱さを維持して弾ききります。

ということで、この録音では、大カデンツァを聴くだけでも価値アリ。かつ、アトランタ響の自主製作盤ということで、一度廃盤になったらなかなか手に入らなくなる気もしますので、激しい演奏が好みの人は、ぜひこの機会に購入をオススメします。新譜としては、久々のそこそこアタリでした