カツァリスなので、テクニックは完璧。速いテンポ、切れ味鋭く小気味良いのに、こういったタイプの演奏(アルゲリッチやコチシュなどが代表的)にありがちな、”軽さ”や”安っぽさ”に代表される小手先チマチマ感は一切感じられず、堂々としていてとにかく重厚。
2楽章の大カデンツァも、ズッシリ響かせる大迫力。2楽章~3楽章のつなぎも、猛スピードで走りぬける。3楽章は冒頭から速さ&迫力も全開。後半にいたっては、いかにもライブらしく熱気に包まれた、力一杯の打鍵が繰り広げられ、かつ、ラストに向かって一気のスピードアップでオケをグイグイ引っ張る。
ということで、全楽章通じて申し分ない完成度。ものすごく興奮でき、心から楽しめる演奏です。